東京高等裁判所 昭和37年(ラ)756号 決定
競売法による不動産競売手続において競売裁判所が同法第二七条第二項により利害関係人に対して為すべき競売期日の通知については、競売期日との間にいくばくの日数を置くべきかについて特別の規定をしていないが、被通知者をして右期日に参加できる程度の期間を置いてこれをすれば足り、競売期日と公告の日との間に少なくとも一四日を置くべき旨の民事訴訟法第六五九条第一項の準用はないものと解すべきである。蓋し競売法第三〇条によつて準用される民事訴訟法第六五九条第一項は一四日以上の公告期間を置くことにより競買申出の機会をより広く一般に公開して適正な競売価額を得るためと競売に伴ふ各種失権の効果を利害関係人に警告するためであるのに対し、競売法第二七条第二項による利害関係人への通知は利害関係人として競売期日に出席せしめることにより手続が適法に行はれることを担保するためで、両者その目的を異にするからである従つて抗告人主張の如く債務者ないし物件所有者が右通知を受けてから競売期日までの間に金策の準備をするに充分な時間的余裕を持てる程度の期間を置いてこれをしなければならぬものでないことは勿論である。これを本件についてみるに、抗告人に対し昭和三七年一二月一三日に為された同年同月一七日午前一〇時の競売期日の通知は、抗告人の住所(抗告人の肩書地)及び右競売期日の場所(東京都千代田区霞ケ関一丁目一番地東京地方裁判所執行吏合同役場)から考えて、抗告人が右期日に参加できる期間を置いて為されたものと認めるに充分であるから適法なることは明らかで右通知の違法なことを攻撃する抗告人の主張は理由がない。
(鈴木忠 谷口 宮崎)